Twitter まぐり Magriha | まぐり (@Magriha) のツイート

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小鳥の囀り程度だった目覚し時計のアラームが段階的にけたたましくなっていく。止めようと腕を伸ばしたが指先が微妙に届かない。枝野が腰に巻き付いているからだ。
「ん……ちょっと……離して」
「……嫌だ」
「うるさいから、時計」
「その内とまりますって」
「止まらないタイプなんだよ」

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ていた。僕がお前の胸の中に行くと思っていたのか? 残念、逆だ。
「おいで」
枝野の顔が赤くなっていく。こめかみに一筋雫が伝った。濡れた髪から流れたのか、発汗によるものかは分からなかった。
「ずるいですよ、テルさん」
「こういうの嫌い?」
「き……っ」
嫌いなわけないよね?

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「ええ……!?」
枝野が飛び退いた。僕は空いた分距離を詰めて、
「抱き合った方が暖かいって、何かの番組でやってたよ」
「そりゃそうでしょうけど……」
「何?」
「いや、何でもないです。じゃあ抱かせて下さい」
「いいよ」
ばっと両腕を開いて枝野が胸に飛び込めるようにした。枝野は驚い

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を受け取って広げてみた。僕のより一回り大きい。羽織ってみるとまるで枝野に抱かれているようで心臓が高鳴った。袖を捲らず中に指先に忍ばせて顔を覆ってみた。
(枝野の匂いがする……)
瞑目し、じっとしていると枝野が肩をすり寄せてきた。
「……寒いね」
「そうッスね」
「抱っこする?」

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「少しね」
すると枝野は自分の鞄を開けて何かを取り出した。
「これ、俺のジャージですけど。そんなに濡れてないんで良かったら着てて下さい」
「枝野の……?」
「あ、臭くないですよ! たぶん……」
「あはは……ありがとう、枝野」
枝野のジャージが臭いわけないだろ。僕は枝野からジャージ

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「はい」
枝野が膝を折り僕の前に屈んだ。え、そこまでするのか。僕の腹の位置に枝野の目線がある。
「水で濡れて外しづらいですね。……はい、腕抜いて下さい」
「あ、ああ……うん……」
何か、何だか……とてつもなく恥ずかしい事をしている気分だった。
「テルさん寒くないですか?」

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くらい水が落ちた。
「テルさんも脱がないと風邪引きますよ」
「そうだね」
釦を外そうとしたが寒くて指がかじかみうまく外れなかった。
「脱がしてあげましょうか?」
こいつ何言ってんだ。と思って睨んだが物凄く真面目な顔をしていたので逆に面食らった。
「あ……う、うん……頼めるかな」

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うわ。本当にひどい雨だ。今朝はあんなに晴れていたのに。僕達は鞄で頭を覆い制服を濡らしながら何とか屋根のある場所まで辿り着いた。雨水を大量に吸ったブレザーを脱ぐとずしりと重く、袖から大粒の雫が何滴も滴った。隣の枝野も同様で、枝野はシャツを脱いで固く絞っていた。小規模な滝かと思う

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見上げるとにやにやしているテルさんと目が合った。
「って、書いてあげよっか?」
「らぶ、の方でお願いします」
「なにそれ生意気。それなら僕の分にも何か書いてよ」
「良いんですか? じゃあ……」
『てるき あい』と綴った瞬間、テルさんにスプーンの背で文字で消されてしまった。

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テルさんがオムライスを盛った皿を両手に持ってテーブルに戻ってきた。ごと、と俺の目の前に皿を置いて冷蔵庫に向かった。ケチャップとスプーンを取りに行ったらしい。ほわほわ湯気が立つ黄色い敷布と中に包まれたチキンライスの香りが食欲をそそる。
「えだのだいすき」
「え!?」

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傘を忘れた。天気予報は確かに昼から晩まで雨マークだったが眩しいほどの朝日を見て信じなかった。馬鹿だ。
「雨、ひどいね」
いつの間にかテルさんが横に立っていた。
「入ってく?」
「あ、はい。失礼します」
「何それ」
テルさんはくすくす笑いながら俺を傘に入れてくれた。細い肩が触れる。

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「お前も、皆も……! 誰も僕の事なんか何も知らないじゃないか!」
「知らないですよ! だってテルさん何も見せてくれないじゃないですか!」
「は……?」
「心の内側を見せないくせに知ってほしいなんて無茶苦茶言わないで下さいよ! 見せて下さいよもっと! 俺だけに!」
「……嫌だね」

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『しゅうまつのはじまり』は週末と終末掛けたんだけどそれに気付いてもらえてうれしーーーーーー

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後に残された俺達は地面に伏しながら花沢が遠ざかっていくのを呆然と見つめていた。
「枝野さ〜ん。生きてます?」
取り巻きの一人が力無く呼び掛けてきた。
「惚れた」
「は?」
「あいつにこの黒酢中の裏番をやってもらう」
「まじっすか。え、まじっすか」
「もう決めたんだ。明日また会う」

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「おい待てよ」
肩を掴みぐい、と引き寄せようとした。だが、視界が反転し気付いたら地面に倒されていた。今何が起きた? あんな華奢な体で一回り大きい体躯の俺を簡単に捻じ伏せやがった。
「気安く触るな」
ぴっ、と汚い物に触ったみたいに手を払って花沢は友人達に向き直った。

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「名前? そっちが先に名乗るべきじゃないかな。と言ってもあんたの事見た事ないし興味もないけど。僕達の先輩ですか?」
「な……っ」
いちねんのくせになまいきだ。金髪――後に花沢輝気と判明した――は、俺の横を怯える友人達と通り過ぎた。

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体のすぐ横を取り巻きBが豪速球並みの速さで飛んできた。やったのは金髪の一年だった。片手を振りかざし他の雑魚を下から睨みつけて牽制している。涼しい顔してなんて事しやがる。お前どこぞのゆうしゃか何かか。混乱していた俺は顔と同じくらいの低温を目に湛えたそいつに名前を聞いた。

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二年の頃、入学したてほやほやの一年坊のグループをカツアゲをした事がある。と言っても取り巻きが勝手にしているのを俺はヤンキー座りで傍観していた。腿に肘を突いてぼーっと黒に混じって金髪がいるなとか意外と粘ってんなとか思っていたら取り巻きAが横に吹っ飛ばされた。は? 思わず立ち上がる。

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あ、足りない。まずい。後二百円不足している。テンパっていると背後から財布を覗かれた。ふーん、という目をしたテルさんと一瞬だけ目が合う。
「どいて」
肩に手が置かれぐい、と押し退けられた。ああ、またテルさんに払わせてしまった。

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枝野は冷えピタ剥がしたけど輝気はまだ(少なくとも着替え終わるまでは)貼ってるんだとなるとやや間抜けで可愛い。ちなみに個室で枝野は何をやっていたかというと輝気の残り香がほんの少し二年のフロアにあるのを感じて(錯覚)欲情した結果、個室トイレでナニしてたわけです。ひどい

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しゅうまつのはじまり | 貝 #pixiv pixiv.net/novel/show.php…

6247字でした

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今作は
2053~0103(4h10m。構想なし即興&ほぼノンストップ)
140×42?=5880
でした

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タイトルから内容考える時もあるが逆の場合はタイトルが思い付かなくてツラい

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て、テルさん、と枝野がまたもや感動のあまり涙目になりそうだったので繋いだ手を離した。二、三歩先に歩いて、枝野を振り返った。
「はやく帰ろ。送ってくれるよね?」
「もちろんですよ!」
胸を拳で叩いて気炎を上げる枝野に僕は微笑んだ。

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「じゃあ今度僕の家に来る?」
え、と枝野が大袈裟に驚いた。
「次の日に水泳の授業が無い日だよ。僕見学多いからこのままじゃ成績下がっちゃう」
「補修受ければいいんじゃないですか」
「そういう問題じゃないんだよ。僕は、……何ていうか、胸を張って付き合いたいから。枝野と」

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身なりを整えて、ベッドシーツを整えた。カーテンをゆっくり開け、頭だけ出し無人を確認すると次は扉の前に向かって同じ事をした。
「でもドキドキした。たまにはああいうの悪くないね」
ひとけのない廊下を手を繋ぎながら歩いて下駄箱に向かった。
「ええ……俺は嫌ですよ。邪魔が入るなんて」

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もし覗かれていたらどうなったかな? 翌朝からか、それとも今晩からか生徒達のメッセージアプリで僕達は話題の中心になるだろう。だって校内一の不良と校内一の優等生がデキてたなんてどこの少女漫画だ。僕達は何だかそういう気分が失せてしまい、せめてもの解消としてお互い服を着させ合った。

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僕達はそれから暫しの間固まっていた。やがて汗で粘着力を失った枝野の冷却シートが落ちてきたせいで静寂は終わりを迎えた。僕は胸に緩く張り付いた枝野の冷却シートを剥がして丸めた。
「……どうしようかと思った」
「どうにもなりませんでしたよ……さっきは……」
「覗かれなくてよかったよ」

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に聞かれてしまうのではないかと危惧した。二人分の心音が共鳴して増幅する。枝野のこめかみから流れた汗が顎に伝い、僕の鎖骨に落ちた。冷たい。しばらく枝野の流汗に耐えながらじっと息を潜めていると、足音は扉に向かっていった。ガラッとまた大袈裟な音をたてて扉が開き、静かに閉まった。

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僕達は無言ながら目を見合わせてこの場をどうやり過ごすか意見を交わしていた。冷静さを取り戻したと判断したのか、枝野が唇を離した。お互いの舌先に唾液が伝う。
「っ……は」
熱い吐息が漏れた。心臓が肋骨を突き破って出てきそうなほど高鳴っていた。それは枝野も同じで、カーテンの向こうの誰か