Twitter まぐり Magriha | まぐり (@Magriha) のツイート

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身なりを整えて、ベッドシーツを整えた。カーテンをゆっくり開け、頭だけ出し無人を確認すると次は扉の前に向かって同じ事をした。
「でもドキドキした。たまにはああいうの悪くないね」
ひとけのない廊下を手を繋ぎながら歩いて下駄箱に向かった。
「ええ……俺は嫌ですよ。邪魔が入るなんて」

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もし覗かれていたらどうなったかな? 翌朝からか、それとも今晩からか生徒達のメッセージアプリで僕達は話題の中心になるだろう。だって校内一の不良と校内一の優等生がデキてたなんてどこの少女漫画だ。僕達は何だかそういう気分が失せてしまい、せめてもの解消としてお互い服を着させ合った。

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僕達はそれから暫しの間固まっていた。やがて汗で粘着力を失った枝野の冷却シートが落ちてきたせいで静寂は終わりを迎えた。僕は胸に緩く張り付いた枝野の冷却シートを剥がして丸めた。
「……どうしようかと思った」
「どうにもなりませんでしたよ……さっきは……」
「覗かれなくてよかったよ」

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に聞かれてしまうのではないかと危惧した。二人分の心音が共鳴して増幅する。枝野のこめかみから流れた汗が顎に伝い、僕の鎖骨に落ちた。冷たい。しばらく枝野の流汗に耐えながらじっと息を潜めていると、足音は扉に向かっていった。ガラッとまた大袈裟な音をたてて扉が開き、静かに閉まった。

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僕達は無言ながら目を見合わせてこの場をどうやり過ごすか意見を交わしていた。冷静さを取り戻したと判断したのか、枝野が唇を離した。お互いの舌先に唾液が伝う。
「っ……は」
熱い吐息が漏れた。心臓が肋骨を突き破って出てきそうなほど高鳴っていた。それは枝野も同じで、カーテンの向こうの誰か

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僕達が盛り上がってきた所で突然、保健室の戸がガラッと力強く開いた。僕は驚愕のあまり声を上げそうになった。しかし枝野がすぐ唇を塞いできたので全身を硬直させるだけで済んだ。苦しいが、英断だった。最初と反して扉は音を立てずに閉まった。上履きがパタパタと床を叩く。生徒がまだいたのか。

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喉が鳴った。
「水泳って明後日でしたっけ? 大丈夫です! 間に合いますよ!」
「ばっかお前。明日だよ! ああもう……また見学だよ……」
今月に入ってもう三回目だ。
「え、じゃあいくらつけても構わないですね」
「駄目だよ! ちょ……、やだってば……ぁ、あっ……えだのっ……ゃ……!」

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見えませんよ、と嘯き、枝野が歯を建てた。襟より上の位置だ。後で絶対やり返してやる。妙な復讐心が胸中で燃え滾った。
「テルさん好きですあいしてます」
しかしすぐ鎮火してしまった。
「すみません。付けすぎました」
「は?」
首を起こして見ると腹部まで赤い蕾が点在していた。異様な光景に

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わざとらしく水音を立てながら舐めたり噛んだりを繰り返す。これをされるともう体に力が入らなくなる。枝野が僕の後頭部に手を添えた。押し倒すというにはあまりにも優しくベッドに寝かされ、頬に口付けられた。唇が軽いリップ音を立てながら首に下がる。
「あ、う……っだめ、そこみえちゃう……」

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枝野だからだった。枝野が触れるから僕は自分が保てなくなる。保ちたくなくてねだってしまう。
「ゃ、あっ……はあっ、ぁもう耳ばっか……」
「好きでしょテルさん。腰びくびくしてますよ」
「やだぁ……も、かまないで、ってば……ッは、ぁあ……」
甘い痺れが尾骨から背中をゆっくりと上ってくる

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笑うと枝野が泣き笑いみたいな顔をして肩を震わせた。ぐ、と体を抱き締められた
「テルさん可愛いです。ああ俺、何か感動してる。テルさんの事をもっと好きになった」
耳元でそう囁きながら耳朶に短いキスの雨を散らしてくる。くすぐったさの中に慾を煽る要素が含まれていて、それは紛れもなく

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もらおう。ぴり、と包装を破き己にあてがう枝野。手付きが荒くて上手く嵌められないようだ。身を起こし枝野の膝の間に迫る。
「僕がやるよ」
「……あ、上手いッスね」
「枝野が教えてくれたんだよ」
「え?」
「覚えちゃった。これ付けるの」
思ったより自分の発言が恥ずかしくて誤魔化すように

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枝野は僕の足をゆっくり下ろすとベッドから離れカーテンの向こうに一旦消えた。家探しのような物騒な音がやや続き、カーテンをシャッと引いて枝野が戻ってきた。連結した包装。
「あったんだ」
「授業で使うやつじゃないですかね。よく分かりませんが」
保健体育の教材らしい。ありがたく使わせて

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「足上げて」
「ん……」
促され、僕は膝を立てた。すると手の平が膝裏に差し込まれた。軽々両足を脇に担がれた。下半身がやや浮く。枝野が膝をずり、腰を寄せてくる。
「いきますよ」
「あ、ま、待って」
「何だよ、じゃなくて何ですか。何言われても途中でやめませんよ」
「ゴム、つけて」

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ベルトを床に落とした音のようだ。枝野が苦悶している僕に気付いて手を掴んできた。
「俺がやりますよ。全部」
手首の内側に強く口付けられた。きっと跡が残る。だけどそんな事はどうでもよかった。もっと深く、もっと痛くして、僕自身でさえ手の届かない場所に跡を付けてほしい。

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「テルさん俺もう……!」
枝野が荒々しく自分のネクタイを解いた。僕の体を引き倒し上に乗るとベルトをバックルから抜き始める。僕も震える指でネクタイの結び目を解こうとした。だがうまく力が入らない。もたもたしているとどこかでガチャンと落下音がした。瞬時に見を竦めたがどうやら枝野が

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「え、だの……僕……」
枝野の瞳の中の僕が口を開く。唇を震わせて続きを強請っているようだ。枝野は口元だけで笑みを作り、もう一度瞼を伏せた。
「っ、んぅ……んん……ぅ……、ぁ、えだのもっと……」
頭に熱い粒子を纏った霞がたなびく。角度を変え、間隔を変え口内をくまなく蹂躙された。

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脱力していく僕の体を支えつつ枝野はベッドの中に僕を引き込もうとしている。枝野の口唇が呼吸の為、一度離れた。その隙に僕は少し膝に力を使い、ベッドに乗り上げた。枝野の傍らに身を寄せ、横たわる。吐息と視線が重なり合った。その時確かに僕の中には枝野が、枝野の中には僕がいた。

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瞬きをする度に枝野の顔が近付いてきた。鼻先が触れた。枝野の切れ長の目が僕を映し、そして、瞑した。言葉を発している途中だったから、易々と口腔を侵入され粘膜を掻き回される。
「ふ……、っ……んんっ」
枝野の手が後頭部と背に回り上半身をベッドに引き寄せられる。僕は枝野の胸に手をついた。

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枝野の冷却シートを手のひらで覆った。布一枚を通して枝野の体温が伝わる。
「でももうぬるいよ」
返事がないと思ったら枝野が僕の顔をまじまじ見つめていた。
「テルさんも貼ってたんですね」
「熱を移されちゃったかもしれないな」
僕は苦笑した。
「確実に移していいですか?」
「え?」

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僕はベッドの側のパイプ椅子に腰を掛けた。
「冷却シート持ってきたよ。貼ってやるからこっち向いて」
「……はい」
汗で額に張り付いた髪を手の甲で払い、冷却シートを貼った。貼った瞬間、枝野が強く瞑目するのが面白かった。
「あはは、そんなに冷たい?」
「冷たいですよ」

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い自分に自信を持った口ぶりだからよけいに響く。僕は枝野の元に戻った。枝野が穏やかに微笑んできた。そんな顔が出来るようになったんだな。一瞥して背を向け、左右の帳を中央に引き、隙間をなくす。陽光を遮断し中に冷たい空気を閉じ込めた。
「どうしました?」
枝野が怪訝そうな声を上げた。

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。これじゃどっちが格好が悪いか分からないじゃないか。僕はベッドを離れ、冷蔵庫から冷却シートを二枚取り出した。その内一枚の透明シートを剥がして自分の額に貼った。枝野とここで話し始めてから奴の意図しない発言で顔が火照る。心情を推敲せず生の素材のままぶつけてくる上に、嘘偽りを感じさせな

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あった枕や備品を素手で投げた。コントロールが悪く枝野には一つも当たらなかった。散らばった物の中から枕を拾って枝野は胸に抱いた。
「テルさん。俺すげー嬉しいんですよ。だって今日が初めてじゃないですか? 俺にこんなに気遣ってくれるの」
「気まぐれだよ。いちいち気に留めるな」
馬鹿だな

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いつもはそんなに素直じゃないのに」
「う、うるさい! 別に帰ってもいいんだ。だけど、昨日約束したから……!」
「テルさん声大きいですよ! 分かりましたから! もう茶化しませんよ」
「そうだよ。人の厚意は黙って受け取れ」
「こうい? 好きって事っスか!?」
「寝ろばか!」
僕は側に

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枝野が倒れた。
「ひどいじゃないですか。いきなり投げるなんて」
「お前にはちょうどいい刺激だ。まったく……少し眠りなよ。僕はかえ――」
僕はどうしよう? 一人で帰ったら反故になるしそれは避けたい。
「……目が覚めるまで一緒にいてやるから」
「テルさんこそ具合悪いんじゃないですか

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「すみません……」
それから保健室に着くまで言葉を交わす事はなかった。
「失礼します。先生、少し休ませ――いないね」
「そうッスね」
「……お前なんかまた息上がってないか?」
「き、気のせいですよ!!」
「っばか、耳元で叫ぶな!」
枝野をベッドに放り投げた。みっともない声を上げ

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先生は面倒事が嫌いなようで僕がそう申し出ると枝野を難なくこちらに引き渡した。面白半分で見ていた聴衆も枝野の鏃のような睥睨で霧散した。枝野はまだまっすぐ歩けないようだったので肩を貸してゆっくりと廊下を歩いた。
「まったくしようがないな。こんな所を他校生に見られたら面子が立たないよ」

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それから五分くらい言い争っているとトイレの外にギャラリーが出来ていた。騒ぎを聞きつけた先生がやって来て枝野は強制的に退室させられた。周囲に見世物じゃねえ、とがなっていたけどやや前屈みだったので怖くなかった。さて。
「先生。先輩は具合が悪いそうなので僕が保健室に連れていきますよ」

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そうだよな。僕と約束したからな。
「まあいいけどさ、出られる?」
枝野はがっくりとうなだれ頭を左右に振った。
「出られません。というか立てません」
「大丈夫じゃないじゃん。肩貸すよ」
バッと顔を上げて、
「いやそれはたっちゃいそうなんで駄目です!」
「いや立ってほしいんだけど」