Twitter まぐり Magriha | まぐり (@Magriha) のツイート

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「枝野、枝野。具合でも悪いのか?」
ノックと共にそう呼び掛ける。何かを引き上げるような衣擦れがして、金属がカチャカチャとこすれる音がした。ベルトを締めたのか? ややして扉の鍵が外された。個室がやおら開いた。そこには確かに枝野がいた。
「どうしたんだ一体……」
枝野は便座の蓋に座り

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組み合わせは悪意ある噂好きの大好物だ。と、一般人なら自身の立場を危惧して声を掛けるのをやめるだろう。僕は個室の扉の前に立った。
「枝野。そこにいるんだろう」
二、三回ノックをする。中の枝野が明らかに動揺したのが分かった。気、というのだろうか。一緒に過ごす内に期せずして習得した。

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埋まっていた。枝野だろうか。
「えだ――」
無意識に言いかけて自分の等閑さに気付き口を噤んだ。もし枝野ではなかったらどうしよう。他の個室が空いているのに特定の個室に声を掛けた変態になってしまうのでないだろうか。冷や汗が背中に伝った。何度も言うが噂が広まるの早い。優等生と変態という

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もしかしたら具合が悪くなったのかもしれない。とりあえずトイレに向かう事にした。前日に約束した以上、今日は枝野と下校しなければいけない。僕は約束を破る人間が嫌いだ。女子トイレは絶対にいない。いない事を願う。僕は男子トイレに足を踏み入れた。見た感じ利用者はいなかった。しかし奥の個室が

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手を振ってきた。僕は手を振り返し、枝野を探した。いない。というか僕達とジャンルが異なる風貌なので二年に混じっていたら一瞬で分かる。隣の教室にもいなかった。準備室にも。二年のフロアで探していない場所となると――、
「……トイレ、か」
気乗りしなかったが行くしかなかった。

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クラス委員のような風貌の女が親切に枝野の行方を教えてくれたので礼を言い、三年の教室を後にした。階段を下りた。枝野は二年生の教室に向かったらしい。早い話がすれ違いだ。でも僕は枝野と鉢合わせしなかったけどな。疑問を抱きながらまた二年の教室に戻った。談笑に興じていた女子達が僕に気付き

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僕が枝野の教室を訪ねるのは日常になっていた。三年生の教室は最上階にあるので僕の教室より風景がよく見える。橙色に焼けた空を見遣りながら戸を開けた。すぐに中へ視線を転じ枝野、と呼んでみた。教室の空気が一瞬で張り詰めたのを肌で感じた。
「すみません、急に。枝野先輩知りませんか?」

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放課後一緒に帰ると約束していたので枝野の教室へ向かった。すれ違う上級生達が怪訝そうな顔で僕を眺める。二年生が三年生の教室に入り浸っているとそれだけで噂が立ってしまう。ましてやそれが校内一の不良と校内一の優等生だとよけいに。先輩達に笑むと男女問わず少し焦ったように顔を下に俯けた。