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愛しているというより、きみを神様だとおもったほうが楽だったんだ。ぼくのことをぼくがだれより、軽蔑したかった。/最果タヒ「サンライズ出雲の詩」

自分は愛のあるところを目指して行くだらう 悩まされ駆り立てられても やはりその永久を指して進むだらう 愛と土とを踏むことは喜しい 愛あるところに 昨日のごとく正しく私は歩むだらう。/室生犀星「愛の詩集 序詩」

ここの古い椅子に腰をかけて二人でしづかに話してゐよう なにも悲しむことなく君と私でしづかな幸福な日を暮さう 遠い公園のしづかな噴水の音をきいてゐよう /萩原朔太郎「さびしい人格」

じつは、このあいだ、朝             なんでもありません /穂村弘

冬だ、冬だ、何処もかも冬だ 見わたすかぎり冬だ 再び僕に会ひに来た硬骨な冬 冬よ、冬よ 躍れ、叫べ、僕の手を握れ /高村光太郎「冬の詩」

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか /梨木香歩「西の魔女が死んだ」

──誠実でありたい。そんなねがいを どこから手に入れた。それは すでに 欺くことでしかないのに。それが突然わかってしまった雪の かなしみの上に 新しい雪が ひたひたと重なっている。/ 吉野 弘「雪の日に」

幸福な瞬間をたくさん持つと、人は勇敢になると思う。自分の人生に対する信頼、しか勇気にはならない。/江國香織「勇気」

破壊は、哀れで悲しくて、そうして美しいものだ。破壊して、建て直して、完成しようという夢。そうして、いったん破壊すれば、永遠に完成の日が来ないかも知れぬのに、それでも、したう恋ゆえに、破壊しなければならぬのだ。/太宰治「斜陽」