Twitter まぐり Magriha | まぐり(Magriha) / 2016年9月14日のツイート

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でもあれより長いタオルは我が家にはないな、と思考を巡らせていると視線に気付いたエクボくんがにやにやしだした。
「大人の色気に当てられたか?」
「はあ? そういう冗談は好きじゃないな」
「ふ……だけどイケてるだろ。水も滴る、ってやつだな」
「今まで血が滴ってたやつが何言ってる」

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ケー。分かったぜ」
僕は浴室の扉を閉めてリビングに戻った。

椅子に座って読書をしているとエクボくんが出て来る音がした。肩越しに見遣るとバスタオルを腰に巻いたエクボくんがこちらにやって来る。タオルの生地が上背のある彼にはやや短かったようで、太ももが露わになっていた。

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てて」
とりあえず洗濯機にスーツ一式を突っ込んで、いつも通りの分量洗剤を入れてスイッチを入れた。すぐに浴室に駆け込む。エクボくんはシャワーのノズルを持ったまま浴室の真ん中で佇んでいた。
「ここ捻るとお湯が出るよ。こっちは温度調節」
「ここは?」
「そっちは蛇口」
「オーケーオー

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僕はエクボくんを家に連れ込んだ。玄関で服をすべて脱がしてタオルを一枚渡して浴室に突っ込む。血って洗濯だけで落ちるのだろうか? 丸めたスーツを眺めていると、
「おい、これどうやって使うんだ」
浴室から頭だけ覗かせたエクボくんがそう尋ねてきた。
「え? わからないのか? ちょっと待っ

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「人助け。君らしくない」
「祟るぞガキ」
顎を掴まれた。骨ばった指が頬に沈む。僕は彼の手首を掴んで力を込めた。目でやめろと訴えると彼は舌打ちをして、手を離した。
「じゃあ行こうか」
「ああ? どこにだよ。霊幻の事務所か?」
「そっちは少し遠いから、そうだな……僕の家に来なよ」

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……」
彼は慌てて両手を振った。
「ちげえよ。この先の踏切で運悪くタイヤがハマっちまった車椅子がいてな」
「……亡くなったのか?」
「いや。まあ、無傷で済めば良かったんだけどよ、そいつの足が電車の車体に引っ掛かった。素性を聞かれると困るからな。野次馬に預けて逃げた。それだけだ」

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身をよじった。
「やめろよ、誤解されるだろ」
「誰もいないんだからそっちの誤解の心配はいいから。早く!」
渋る彼を促し、スーツを受け取る。血は脇腹だけかと思ったら脇や背中にも散っていた。ちょうどスーツの内側になる部分のみ浴びたようだ。器用なやつ。
「これ誰の血? 返答によっては

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そういえば歩き方が不自然だった事を思い出して全身に目を配ると右脇腹が赤黒く染まっていた。
「どうしたんだい、それ……」
「俺様の血じゃねえよ」
何かの血、なのか。
「よけいに駄目だろ。誰かに見られでもしたら誤解を生む。早く脱いで」
後ろに回り込んで肩に手を掛けると彼は擽ったそうに

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しかし歪に笑みを浮かべるその顔に発汗は見られなかった。僕は更に一歩彼に近付く。
「奇遇だね、エクボくん」
挑戦的な笑みを向けるが効果はない。
「男の尻追っ掛けるのも楽しいのかぁ? くく……」
むしろ嫌味を何倍にも濃縮されて返されて返答に窮してしまった。いけないな、こんな事では。

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ふと違和感が走り再び雑踏を見遣った。他より頭一つ分背の高い男がふらふらと路地裏に入っていく。僕は踵を返しその男の後を追った。昼間だというのに路地裏は薄暗くて男の姿がよく見えなかった。
「よお。久しぶりだな」
もう日差しの強い季節が到来しているのにその男は黒のスーツを身に纏っていて

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→でも久しぶりに独りの夜じゃなかったので満たされた気分の輝気→翌朝ワイシャツ受け取って帰るエクボ→また来てもいいよ→優しいなあテルちゃんは→だからテルちゃんはやめろって!→END

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「テルちゃんはやめろ」「じゃあ輝気だな。サンキュー輝気」→納得行かない→洗濯が終わるまで一緒→腹が減ったと駄々こねるエクボ→一人で買い出し→料理→洗濯終わる→遅いし泊まっていってもいいか?→いいけど何もするなよ?→しねえよ!また消されたら困るからなあははは→何だこいつ

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街中で負傷したエクボ発見「ちげぇよ。コレは俺様の血じゃなくて」「なおさら駄目だろそれ。いいから僕の家に行くぞ!」輝気宅へ→浴室にエクボを突っ込む(洗ってやってもいい)→濡れ髪が格好いい守衛エクボが出て来る→ドライヤーを貸す輝気→「甲斐甲斐しいなあ、テルちゃん」ニヤニヤ→

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「テルちゃんはやめろ」
「じゃあ輝気、だな」
納得行かないって顔する輝気

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汗を吸ったシャツを脱ぎ上半身裸で一段落

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いやそもそもこいつはまだ子供だろ。大人扱いなんてする必要ないのに、大人のやり方でしか愛してあげられなくて。俺のほうが幼稚じゃないか。

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トイレに入った。便座の蓋に座り、手の平で顔を覆った。またやっちまった。冷や汗なんてどれだけ流したか分からない。感覚が麻痺している。胃の底が冷たく冷える感覚はまだ鮮明に感じられた。

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「今度は寝顔ですか? 顔を撮ろうとするのは止めて下さい」

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突然真水を浴びせられて気分が滅入る

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デスクに鍵を置いた。手垢の付いていないぴかぴかな真鍮製の鍵。
「師匠?」
「今日は事務所閉めるか。モブ、何か食いたい物があるなら奢るぞ」
「いいですよ、僕は。それより花沢くんによろしく言っておいて下さい」
師匠は乾いた笑い声を上げて鍵を手に取った。合鍵なのかな、とぼんやり思った。

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「あと、そのねこってこの前事務所に来てましたか?」
「何の事だよ。冗談はよせよな。喋るわけねえだろ、ねこが」
師匠、そのシャツ新しいのに替えた方がいいですよ。
「いや、すれ違いざまに挨拶されたので。それでこれ、忘れ物だと思うんですけど。本人に渡しておいてもらえますか」
僕は師匠の

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「……あんた嘘吐いてるだろ」
師匠は分かりやすく狼狽して脱いだばかりのシャツを着始めた。
「待ってくださいよ。嘘は良くない」
「嘘じゃねえよ」
「はあ。じゃあ金色のねこがいるんですね」
ハンガーに掛けられた背広にくっついていたやや明るい栗色の毛を摘んで師匠に見せた。

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午後の除霊依頼を終えて一段落している師匠にお茶を淹れて持っていってあげた。デスクに湯呑みを置く。
「サンキュー、悪いなモブ。……あち」
「いやいいんですけど。……あれ? 師匠、首のところに何か……傷?」
肩口に引っ掻いたような生傷が数本刻まれていた。
「ああ、猫がな」

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いいんだよ」
どこまでが子供でどこまでを大人扱いすればいいのか分からなくなってきた。俺は頭を抱えた。輝気が心配して声を掛けてくる。俺はもしかしてとんでもない事をしてしまったのではないかと思っていた。

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「あ、いや……決まったかなって」
「ふーん……。じゃあ僕これにする」
指差したのは俺の予想と予算に反してかなり安い値段のステーキだった。一応確認を取っても返事は変わらなかったので、店員を呼び注文した。
「今度は本当に好きなの頼めよ」
「でも僕は霊幻さんと一緒に食べられればなんでも

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睫毛が被っていて、顔に影を落としていた。先程寝ぼけていた輝気と、今の輝気は別人のように思えた。どこか陰を背負っていて大人っぽく、妙な色気を漂わせていて。俺は思わず息を呑んだ。こんな子供を俺は。輝気が気付き、なに、と俺を見つめてきた。
「霊幻さんまた余計な事考えてる?」

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輝気が言っていたチェーン店に着き席に通されメニューを眺めていると、輝気が遠慮がちに呟いた。
「霊幻さん。予算とかある?」
よさん? ああ、予算ね。
「いいよ、好きなの頼みな」
そっか、と輝気がは再びメニューに目を落とす。俺はそれを盗み見た。メニューの写真を辿っている目に細くて長い

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な事聞いたんだか……。あ、着替えたんだな。じゃあ行くか」
体の火照りを誤魔化すように早口でそう言い、輝気の顔を見ないまま玄関に走った。大した距離ではないのに、何故だがATMよりも遠く感じた。階段を降りている途中、背後で輝気の窺うような視線を感じたが気付かないふりをした。

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爪で引っ掻かれ背筋が粟立った。これ以上は俺の中の何かが目覚めそうだったので名残惜しいが体を起こした。
「何で撫でたんだ?」
「えっ? ……あ、えっと……なんとなく、かな。僕よくこうしてもらってたから……。ごめん、気に障った?」
「あ、いや、そんな事ないって。謝るなよ。俺も何でこん

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た輝気の膝が心地良い。輝気は最初、俺の挙動に驚いていたが黙って受け入れてくれた。しばらくして息が安定してくるとそれを見計らったように俺の頭に輝気の手が乗った。そろそろ退いてくれ、という意図なのだろう。無視していたら軽く頭を撫でられた。輝気の細長い指が雑に髪を掻き回す。たまに頭皮に