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泣き笑ひしてひとり物言ふ
泣き笑ひしてひとり物言ふ
秋の夜の
力なく病(や)みし頃(ころ)より
愛(め)づとことさらつれなくせむや
ああ酒のかなしみぞ我に来(きた)れる
我泣かしむる人のあらじか
大願(たいぐわん)とせし
泣く日またなし
癖(くせ)となりにき
泣き笑ひしてひとり物言ふ
初恋の日にもありきと
口すこし開(あ)きて眠(ねむ)るが
初恋の日にもありきと
野に満つる虫を何(なに)と聴くらむ
そのところどころ光るかなしさ
岩手山(いはてやま)
そのやはらかき上目(うはめ)をば
秋はふもとの三方(さんぱう)の
大願(たいぐわん)とせし
そのところどころ光るかなしさ
会ふごとき
初恋の日にもありきと
力なく病(や)みし頃(ころ)より
火を噴(は)く山もあれなど思ふ
初恋の日にもありきと
饑ゑて我を見る犬の面(つら)よし
秋はふもとの三方(さんぱう)の
かくばかり熱(あつ)き涙は
泣く日またなし
細き尾を掉(ふ)りて